Novel "創造主"

小説「創造主」は2000年に執筆・投稿された駆様の作品です。
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前回までのあらすじ。
創造主行方不明。
あわただしい城内に一人の男がやってきた。
「俺が創造主を探す」
と言い、仲間を連れて旅に出た。

『創造主』 ―第2章―手がかり―

 あれから3日…ルナたちは今、南の『サンドロック』という街に来ていた。
 辺りをみれば、砂、砂、砂、砂!!
 そう、ここは砂漠地帯の街なのだ。
「暑ぃ~!!な~んでこんなに暑いんだ?!」
「砂漠だからに決まってるだろう…アホかお前は…」
 ティーンにつっこまれたルナは何も聞こえなかったのか…
「あぁ!!あんなトコロに井戸がある!!」
 と叫びながら井戸の方へ突っ走っていった。
「兄ちゃん。ちょっと待ちな」
 中年くらいの男の声。
「何?」
 ルナはふり向くが
「何?じゃねぇ~!てめぇ、よそ者だな?この井戸の水を飲みたいんなら金払いな。そういう掟なんだ」
 とルナの胸ぐらをつかみながら井戸の方を指差した。
 砂漠地帯の街だから、水は貴重品なのだ。
「あぁ、なぁんだ。金払わないといけないんだぁ?この井戸。悪かったよ、金はちゃんと払うから手ぇ離せよ」
 中年の男は言われたとおり手をはずし、井戸の水を配置してあるコップに汲み
「1杯10マイルだ」と言いながらルナに水を渡した。
 ルナはよほど喉がカラカラだったのだろう…喉を鳴らしながら水を飲みほし、男に10マイル手渡した。
「助かったぜ、喉カラカラで死ぬかと思ったよ」
 と言ってその場を去り、ティーンとアーチェをつれて宿屋へ向かった。
 宿屋に着いたルナ達は早速部屋を借り、旅の疲れを癒す。
「ふわぁぁぁ…ベット見てたら眠くなってきたぜ」
 と言いながらベットに寝転んだ。
「お前らの部屋はあっちだ。夕食になったら教えてくれ俺は少し寝るよ」
 そういうとルナは1分もしないうちに眠ってしまった。
 自分たちの部屋に言ったアーチェとティーンは武器の手入れをしていた。
「ねぇ、ティーン…隣から何か聞こえない?」
 とアーチェはティーンを呼び、2人は耳をかたむけた。
 どうやら男が二人、何らかの話をしているようだ。
 よく聞きとれるようにアーチェとティーンは壁に耳をくっつけた。
「そういえば、この前俺さ、創造主に似た女に出会ったんだぜ!」
「なぁーにバカなこと言ってんだ。創造主がこんな所歩き回ってるわけねぇだろう! 夢見てたんじゃねぇのか?」
「でも…!絶対にあれは創造主に違いねぇ!! あの透き通った青い瞳にちょっと金色交じりの茶色の髪、それに白い衣(服)!!」
「そーんなバカな話があるか!夢だ!夢!!」
 と馬鹿にした口調で男は否定した。
「でも、あの創造主に似た女… クリエイティブレークに行くとか言ってたな…。 ま、本当かどうかは知らねぇけど……」
 などといいながら創造主の話題はそこで終わった。
「クリエイティブレークかぁ…。まぁ、ここから2日ってトコかな」
 といつの間にかティーンたちの部屋のベット上で
 一緒に聞き耳を立てながらうなずいていたルナ。
「お・お前いつの間に!!」
 とティーンは驚いた様子でルナを見ていた。
「俺は傭兵だからな、気を消す事くらいは朝メシ前さ。さて、夕食にでも行くか?」
 と言いながらルナは食堂の方へと降りていった。
 ティーンとアーチェも後ろからついて行く。
 テーブルに腰かけ、今後の行動についてルナが話し始め
「えーっと、俺たちは今ココにいるから…」と地図を広げ、現在位置を指しながら説明した。
「で、次はココから2日くらいかかる、クリエイティブレークに行こうと思ってるんだが…別にいいよな?」
 と2人の顔を見る。
「ボクは別にかまわないよ、ねっ、ティーン。」
「どうでもいい…」
「よっしゃぁ!それじゃぁ、明日の朝は早いうちに宿屋〔ここ〕を出発する!」
「でも、出発の前に食料を調達して…あ!水も調達しなきゃな…」
 とブツブツ言いったり
「お前ら今のうちに、たくさん食っとけよ!!」
 など言いながら食事を楽しんだ。
 そして翌朝――。
「おいっ!起きろっ!早く出発するんじゃなかったのか?!」
「お~いっ!ルナさ~ん!!」
 という声が聞こえ、「バッ」っとルナは掛け布団を放り投げながら時計を見た。
「…8時…40…5分?! やべぇ!2時間近く寝坊したっ!!」
 すばやく着替え、ティーンたちの所に走っていった。
「なにが、『明日は早く起こすから寝坊するんじゃねぇぞ!』だ…」
 ティーンが冷たく言い切るとルナは
「いやぁ~悪かった!!自分が寝坊するなんてうかつだったぜ」
 とティーンたちに謝りながら歩く。
 本当にコイツは傭兵なのかと疑問に思うアーチェとティーン。
「あ゛ぁぁぁぁぁぁ!! 頭痛ぇ~!!」
 と頭を押さえるルナ。
「昨日バカみたいに酒をガバガバ飲むからだ。二日酔いだな…バカが…」
 漫才コンビのような2人を見つめながら
(この人たちと一緒で、僕はこの先やってゆけるのだろうか)
 と先が思いやられるアーチェリーだった――。

To Be Continued