Novel "創造主"

小説「創造主」は2000年に執筆・投稿された駆様の作品です。
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▼あらすじ▼
小さな町、ナータで一人の老人とであったルナたちは一晩老人の小屋に泊まる事になり…その老人が創造主の父である事が判明した。
老人、シャドウはテレポートと言う魔法を使い、ルナたちをクリエイティブレークの街までおくってくれた。



『創造主』 第4章―クリエイティブレークの街―
ナータで出会った老人、シャドウはルナ達をクリエイティブレークに送ってくれた。
一瞬にしてクリエイティブレークに着いたルナ達は、湖に囲まれた街を目の前に驚きの表情を見せた。
まさにそこは神秘の世界、そのものだった。
街の周りには水が張り巡らしてある。
『水の壁』と言うやつだ。
その神秘的な光景を見ながらルナ達は、街の中心部へ創造主の手がかりを求めて行った。
とは言ったものの、サンドロックで手に入れた情報を聞いて5日以上たっているのだから、どう考えても創造主がここにいるとは限らない。
「いつになったらアースにたどり着けるんだろう…」
ルナはため息をつきながら言った
「アースとは誰だ?」
ティーンは疑問に思い、ルナに尋ねた。
「お前知らないの?創造主の本名はアースって言うんだよ。
 創造主は本名で呼ばれることがないからな…知らなくて当然か」
何でお前が知っているんだ?と言う表情を見せるティーン。
「そういえばさ、創造主ってどういう基準で選ばれてるのかな?」
アーチェは呟いた。
「純粋な心の持ち主だけがなれるそうだ」
「創造主とはつまりどういうことなんだ?」
だんだんティーンの頭の中はごちゃごちゃになってきた。
「創造主はこの大地を造った者。創造主の創造によってこの世は成り立っているんだ。
創造主の鎖骨部分には創造主の証である、真っ赤な宝石が埋め込まれているんだが、創造主になりたいがために宝石を求め、創造主を殺そうとする冒険者もいたらしい。
その結果、一度この世界は崩壊してしまったらしい。それ以来創造主は鎖骨まで隠れる服を着るようになった。
そして世界崩壊から10年後、新しい創造主が神の手によって生まれ、今のこの世界が誕生した。
その5年後今の創造主、アースが生まれ、15年後に創造主の手によってアースに宝石を埋め込んでアースが創造主になったんだ。
普通創造主って言うのは二千年以上生きるらしいけど、アースの前の創造主は自分の責任に耐えきれなかったんだろうな…自分から死の道を選びアースを次の創造主に、と選んだらしい。」
「創造主って、可哀想な人なんだね……」
「あぁ、世界を背負って生きてるんだもんなぁ…。」
「お前、妙に詳しいな…」
ティーンがルナに言うと"昔、本で読んだことがあるだけさ"とごまかすような仕草で言い切った。
まぁ、そんな事はどうでもいいか、といった感じでティーンは腕を組み、壁にうっかかった。
「さて、俺はバーの方に行くから、お前たちは宿屋の方に行ってくれ。2時間後に、またこの場所でおちあおう。」
ルナもすっかり、リーダーぶりがいたについてきたという感じだ。
ルナは噴水近くの花壇を飛び越え、バーの方に向かった。
ルナはバーの中に入り、空いている席に座って注文する。
「おまかせするよ」と言いながら店内を見わたす。
店内には10人ほどの客がいて、それぞれいろんな話をしていた。
「どうぞ、ごゆっくり」
ルナの前にはオレンジ色をしたカクテルがだされた。
ルナは出されたカクテルをちょこちょこと喉に流し込み、客の話題をきいていた。
すると"待ってました!"と言わんばかりに、創造主の話題が耳に流れ込んできた。
「昨日さ、白い衣〔服〕を着た綺麗な女が、噴水をじっと見てたんだ。 本当に、綺麗だったなぁ…」
と顔を真っ赤にして、テーブルをバンバン叩いている。
ルナはカクテルを飲みほし、代金を支払って、バーを出た。
バーを出た瞬間、ルナは中年の男たちに囲まれた。
どこにでもいる、酒癖の悪い奴らだ。
「よぉ、兄ちゃん。痛い目にあいたくなかったら持ち金全部おいて失せな」
ろれつが回らない口調でルナを睨む
「もめ事は起こしたくないんでね。それと酒の飲みすぎには注意した方が良いぜ」
と片手を振りながらルナはその場を去ろうとした。
すると男たちは「ふざけんじゃねぇ!」と怒鳴りながらルナを襲う。
しかしルナは、男たちの攻撃を素早くかわし、男たちを蹴り飛ばした。
ルナは腰に挿してある剣をとり、一人の男の喉仏に剣先をむけて、
「死にたくなければ、この場から消えろ。俺はあまり、人を殺めたくないんでね」
と言いながらニッと笑った。
ルナの傭兵としての強さは一流だった。
男たちはオレンジ色のルナの瞳を見ながら、ヒィヒィいいながら逃げていった。
ルナは剣を修め、ティーンたちと待ち合わせている場所へと足を急がせた。
待ち合わせ場所ではすでに、ティーンたちが待っていた。
そして、お互い手に入れた情報を交換し、有力な情報が手に入ったのだ。
「ここよりさらに北西に進んだ所にイースターと言う所があって、研究所をやっているジンクスという男がいて…
どうやら創造主はその方角に向かったらしい」
ティーンはルナに報告して、今晩イースターに向かう事になった。


To Be Continued