- Novel "創造主"
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小説「創造主」は2000年に執筆・投稿された駆様の作品です。
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▼あらすじ▼
やっと見つけた創造主に、ルナはいっしょに城へ帰るように説得するが、創造主は黙り込んでしまった・・・
『創造主』―第7章―決心の夜(前編)―
ティーン、アーチェ、アースは眠ってしまい、ジンクスとルナの2人は部屋で話をしていた。
「しかし、本当、お前もたくましくなって……ないな…」
「んだと?!このクソ親父!!」
「クソは余計だ。傭兵のクセして腕は細ぇし、体力も無ぇみたいだし…」
「うるせぇー、俺は母さん似なんだよ。って言うか研究所にこもってるあんたに言われたく…」
「ん?何が言いてぇんだ?俺は背も高ぇし、体力だってあるぜ?」
「……何でもナイです……」
ジンクスはタバコに火をつけながら微笑する。
「それよりお前、どうするんだ?」
「なにが…」
「創造主〔あいつ〕だよ。連れて帰らねぇといけないんだろ?」
ルナは壁にうっかかり両手を頭の後にやった
「帰るも帰らねぇも、アース次第だし…そりゃ~連れてかえらねぇとヤバイけど…彼女を束縛したくはないし…俺、どうしたらいいかなぁ…」
ジンクスは口にくわえたタバコを灰皿に入れた。
「まぁ…とりあえず今日は眠って、明日また、アースと話せばいいんじゃないか?」
「うん…寝よっかな…」
ルナはジンクスの部屋を出て、ティーンたちが眠っている部屋へ行った。
ジンクスの広くたくましい背中、温かく大きな手…ルナはその日、『父』としてのジンクスの姿を見た。
みんなが寝静まった頃、アースは1人、研究所の外へ出た。
アースは研究所を出ると近くの泉に行き、そこにある低い木でできたさくに腰をおろし、水面に映る夜空を見ていた。
「何見てるんだ?」というルナの声に気づき、後ろを振り返った。
「眠れないんだろう?実は俺も眠れないんだよなぁ…」
ルナは持ってきた毛布をアースに渡し、さくに腰をおろした。
「ルナ…だったな……」
アースはオレンジ色の瞳を見つめていった。
「……いや…何でもない。気にするな」
スッとオレンジ色の瞳から目をそらす。
「気になるなぁ~」
「実は…お前に頼みがあるんだ……」
「はぁ、俺に頼み?あんたの力ではどうにもならないのかい?」
「あぁ、こればかりはな…」
「まぁ、いっか。で、頼みって何だ?」
アースは再び水面に映る夜空を見つめてた。
To Be Continued