- 空っぽ
- 2007/09/27 (Thu) 23:12:09
紅堂幹人 縁の無い言葉だ。そう思っていた。自分が言った言葉がそのまま自分に返ってくる日がくるなんて考えたこともなかった。全てが嘘くさい、嘘に嘘を塗り重ねた自分という存在は肯定しつつも、昔綴った言葉が胸に刺さる。ただ差し込まれるのではなく、抉られるような感覚だ。それほどに、痛い。そんな言葉があった。ラブラドールのようになりたかった。白黒はっきりした考えをしたかった。白黒はっきりした世界を見たかった。文字が読めさえすれば白と黒しか無くたって良い。自分は自分の中にしか物を溜め込まないし、沈殿してきた物は幾層にも重なってやがて化石になる。無駄にしかならない。発掘されない遺物では無意味だ。ただ喰らうだけもの<イーター>になって肥えてどうするっていうのだろう? 自分は飢えを余りにも知らなさすぎる。ただ我慢するのと、飢餓感を感じるのでは大きな違いがあるのだ。飽食の時代に生まれ、自分は飢えを知らなさすぎる。何かを貪欲に求める心は空っぽだ。
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